着衣の天使
ヘラルト・ダヴィド(1460-1523)作
メトロポリタン美術館(アメリカ)所蔵
北方ルネサンスの画家で
あまり有名というわけではありませんが
個人的趣味でひいきにしている作品です
落ち着いた色合いと
ちょっとワザとらしい服のシワ
宙ぶらりんのマントの動きが
なんともチャーミングでたまりません
現実とはかなりかけ離れた
こういう雰囲気が超人的で
神々しい御使い的表現で
意図的ということらしいです
*
そもそも宗教画の神さまや御使たちは
肉体を持たない存在なのですが
目に見えないと
絵にできない・・・のは困るので
仕方なく人間をモデルにして
肉体を描いたということなのです
(なんということか?)
そのため人間に見えないための
工夫が色々ほどこされている
(だから鳥の羽までもついている)
ということで雰囲気も
あえて写実的ではない表現になっている
ということらしいです
とはいえ
衣服の下には
人間と同じような肉体があるように
描かれているところは着目すべき点ですね
手といい足といい
人形チックに
写実的とてもいいましょうか?
衣服の下に隠れている部分も
肩から腕があり肘があり
そして袖口から見えている手へと
繋がっているのがわかるような
立体表現になっています
足は左の指先しか見えていませんが
腰から太ももが二本別れているのが
さらに膝を曲げているのが
ワザとらしいほどしっかりと
陰影によって
立体的に描かれています
つまりこの作品は
人物を立体的に描く際の技法が
大変大げさに使われていて
コツを掴むのにわかりやすいモチーフなのです
服のシワだって現実的には
こんなにわかりやすい
見え方ではありませんからね
漫画やイラスト用には超使えますよ
ということですので
早速お手本にして見ましょう
*
本日の課題は
「受胎告知」です
ダウンロードは
こちらから
↓
受胎告知作成シート
*本日の課題作成見本*
1. 左上の空欄に使用画材の商品名とメーカー名を記入。
2. 好きな画材で着色してください。ただし名画の模写とい
うつもりで、ダヴィドの絵画を見て塗ってください。
あえて人間っぽくなく描かれた作品で
人間の練習というのも
不思議感ただよっていますね