3月29日 げつようび はれ
色のごまかし&だまし術
長年のプロ経験で
ムリな色出しは日常茶飯事
混色では出せない色
原色シアンの作成
嘘つき結構
どうとでもなれ
偽シアン!
仕事はスキャナーで
デジタルデータだったけど
色の原理は
アナログ色鉛筆も同じこと
*
全ての色は
3原色でできている
*
このことさえわかっていたら
どうとでもなる
しかもこの351は
「こんいろ」と命名されているけど
どう見ても青にしか見えなくて
どちらかというと
「あお」と命名されている343の方が
紺色に近いような気もするけど
この日本語表示の担当者は
外国人だったのではないかと
ちょっと不審に思っている
さらに言うと
「むらさき」も
「ときわいろ」も
一般的なイメージと
違う色なんだけど?
まあ、そんなことは
どうでもよくて
・
・
・
本日は前回からの続きで
課題1の色相環を
ファーバーカステル社の
赤缶色鉛筆で作るときに
青緑14:BGと
緑みの青16:gBが難しい
という問題についてです
前回36セットの全色を
色出しして測色したら
原色シアン(C)
(緑みの青16:gB)
がないどころか
隣接する色もなくて
これではどう混色してもムリでしょう
という結果だったのですけど
それでもセット内にある色で
できるだけ近い色を作ってみましょう
というところで終わりましたわね
さっそく続き
いってみましょう!
*
色相環に使えそうな色の選抜は
この19色
わかりやすくするために
原色の番号に丸をつけ
それ以外の色が
何色でできているか
原色の色で矢印を入れました
まずは緑みの青
16:gBの作成から
*
混ぜてできる色は
2色の中間になるので
普通に考えて
361と349を混ぜるといい
ただ両色とも
ビビットトーンではないので
不純色として
ライトトーンの361には白
ディープトーン気味の349には黒が
入っているだけでなく
原色ではない両色には
361にはY:イエロー(黄)
349にはM:マゼンタ(赤)が入っていて
これらが全部一緒になると
濁ってくすんだ感じになると
予想されるので
できるだけ濁りの少ない
混色パターンが他にないかを
考えるのがミソ
*
そうすると
もしかしたら359や351も
試してみたほうがいいかもしれない
359は黄色い上に黒も入っているけど
白がいっぱい入っている361より
もしかしたら自然な見え方になるかもしれないし
351は赤いけど349ほど黒くないし
とりあえずやってみて
どんな色になるか試す価値はありそう
ということで
物理的混色の候補として
359、361、349、351を選出
測色結果からは
候補とは考えなかったけど
web画面での見え方から
近似色として生徒さまから選ばれていた
347を心理的混色の候補として選出
もしかしたらもしかして?
たぶん黒すぎるけど
シアン成分は361より多いはずなので
357もおまけ的候補として選出
計6本で
試してみることに決定
そしてこの2色のかけ合わせは
濁り成分のイエローとマゼンタが
それぞれ緑と青方向に色味を傾けるので
より16:gBらしい色味になるよう
2色のジャスト配分率を探るのがポイント
一気に(2×1回で)
塗ってしまうのではなく
薄くなんども(2×3回以上)
色味を確認しながら
重ねあげていくのがポイント
*
まずは選抜候補色の色出し
100%から0%までの間で
どんな色が出るか
グラデーションを描いてみる
このくらいの面積があると
微妙な色の違いもよくわかる
なるほど349は黒く濁っていて
351は赤に片寄っている
357はさすがに黒い
単色でこの黒さだと
混ぜるとさらに濁るので
これはどうかな?という感じ
同じく359は強烈な緑
黒さは357ほどじゃないけど
こんなに黄色いとどうかな?
という感じです
それでも
やってみないとわからないので
やってみました
ベース色は361と247
色材(CMY)混色は
混ぜると黒くなるので
明るい色に暗い色を
ちょっとずつ混ぜるのが基本画法
これ以上暗くしたくないという
その手前で混色をやめるのだけど
その間に薄く2色を塗り重ねながら
YにもMにも寄っていない
Cらしい色を探る
361+349は透明感があるけど
361+351はちょっとくすみが出ました
347+357はさらに白く濁りました
347+357がこれだけ濁るということは
347+359は同じくらい濁るはずなので
試すのはやめました
ベスト混色は361+349
まあまあ混色は361+351
ちょっと明るいけど
PC画面を観察してやった場合は
347+361が最も近い
仕上がりになりました
同じようなやり方で
14:BGの結果はこのとおり
ベスト混色は363+349
まあまあ混色は366+349
PC画面風仕上げなら361単色OK
配色カード風仕上げなら370+348がベスト
スマートではないけど
3色混色361+349+307もあり
くらいでしょうか
物理的には
C(シアン)+Y(イエロー)=G(グリーン)
なのですけど
色鉛筆で混色する場合
重ね合わせる2本の色相差が大きいと
タッチが粗いのでムラになって
Gに見えにくい
そういう時は用紙を机に置いて
立って1m以上離れて見てみてください
きちんと緑に見えると思います
そうすると
370+349
307+349まで
可能性があります
色々やってみてください
今回の色相環
わたくしの所感でも
14BGが一番難しかったです
最後に
色の見え方は
出力感環境によって変わります
同じ色成分でも
PC画面やプリント出力の
機材の種類、メーカーの種類
さらにその時の機材のコンディションで
結構な差が出ます
ここにはたくさん
画像を載せましたが
制作の手順の解説のためで
色は参考程度と考えてください
微妙な色差の確認は
実際にやって
現物を確認してくださいな
*本日の画材*
コピー用紙
ファーバーカステル 36色 油性色鉛筆
ねり消しゴム
ぺんてる シャープペンシル HB 0.3
消しゴム トンボ MONO zero