パラダイス*第87回 緑みの青ムリヤリ混色術


3月29日 げつようび はれ

色のごまかし&だまし術

mp1

長年のプロ経験で
ムリな色出しは日常茶飯事

混色では出せない色
原色シアンの作成

嘘つき結構
どうとでもなれ
偽シアン!

mp1

仕事はスキャナーで
デジタルデータだったけど
色の原理は
アナログ色鉛筆も同じこと


全ての色は
3原色でできている

このことさえわかっていたら
どうとでもなる


準備は万端

しかし
骨折した紺色が痛々しい

しかもこの351は
「こんいろ」と命名されているけど
どう見ても青にしか見えなくて

どちらかというと
「あお」と命名されている343の方が
紺色に近いような気もするけど

この日本語表示の担当者は
外国人だったのではないかと
ちょっと不審に思っている

さらに言うと
「むらさき」も
「ときわいろ」も
一般的なイメージと
違う色なんだけど?

まあ、そんなことは
どうでもよくて


本日は前回からの続きで
課題1の色相環を
ファーバーカステル社の
赤缶色鉛筆で作るときに

青緑14:BGと
緑みの青16:gBが難しい
という問題についてです

前回36セットの全色を
色出しして測色したら

原色シアン(C)
(緑みの青16:gB)
がないどころか

隣接する色もなくて
これではどう混色してもムリでしょう
という結果だったのですけど

それでもセット内にある色で
できるだけ近い色を作ってみましょう
というところで終わりましたわね

さっそく続き
いってみましょう!

色相環に使えそうな色の選抜は
この19色

わかりやすくするために
原色の番号に丸をつけ
それ以外の色が
何色でできているか
原色の色で矢印を入れました

まずは緑みの青
16:gBの作成から

混ぜてできる色は
2色の中間になるので
普通に考えて
361と349を混ぜるといい

ただ両色とも
ビビットトーンではないので
不純色として
ライトトーンの361には白
ディープトーン気味の349には黒が
入っているだけでなく

原色ではない両色には
361にはY:イエロー(黄)
349にはM:マゼンタ(赤)が入っていて

これらが全部一緒になると
濁ってくすんだ感じになると
予想されるので

できるだけ濁りの少ない
混色パターンが他にないかを
考えるのがミソ

そうすると
もしかしたら359や351も
試してみたほうがいいかもしれない

359は黄色い上に黒も入っているけど
白がいっぱい入っている361より
もしかしたら自然な見え方になるかもしれないし

351は赤いけど349ほど黒くないし
とりあえずやってみて
どんな色になるか試す価値はありそう

ということで
物理的混色の候補として
359、361、349、351を選出

測色結果からは
候補とは考えなかったけど

web画面での見え方から
近似色として生徒さまから選ばれていた
347を心理的混色の候補として選出

もしかしたらもしかして?
たぶん黒すぎるけど
シアン成分は361より多いはずなので
357もおまけ的候補として選出

計6本で
試してみることに決定

そしてこの2色のかけ合わせは
濁り成分のイエローとマゼンタが
それぞれ緑と青方向に色味を傾けるので
より16:gBらしい色味になるよう
2色のジャスト配分率を探るのがポイント

一気に(2×1回で)
塗ってしまうのではなく
薄くなんども(2×3回以上)
色味を確認しながら
重ねあげていくのがポイント

まずは選抜候補色の色出し
100%から0%までの間で
どんな色が出るか
グラデーションを描いてみる

このくらいの面積があると
微妙な色の違いもよくわかる

なるほど349は黒く濁っていて
351は赤に片寄っている

357はさすがに黒い
単色でこの黒さだと
混ぜるとさらに濁るので
これはどうかな?という感じ

同じく359は強烈な緑
黒さは357ほどじゃないけど
こんなに黄色いとどうかな?
という感じです

それでも
やってみないとわからないので
やってみました

全体的には最終的に
こんなかんじになりました

ベース色は361と247

色材(CMY)混色は
混ぜると黒くなるので
明るい色に暗い色を
ちょっとずつ混ぜるのが基本画法

これ以上暗くしたくないという
その手前で混色をやめるのだけど
その間に薄く2色を塗り重ねながら
YにもMにも寄っていない
Cらしい色を探る

361+349は透明感があるけど
361+351はちょっとくすみが出ました
347+357はさらに白く濁りました

347+357がこれだけ濁るということは
347+359は同じくらい濁るはずなので
試すのはやめました

ベスト混色は361+349
まあまあ混色は361+351

ちょっと明るいけど
PC画面を観察してやった場合は
347+361が最も近い
仕上がりになりました

mp1

同じようなやり方で
14:BGの結果はこのとおり

ベスト混色は363+349
まあまあ混色は366+349

PC画面風仕上げなら361単色OK
配色カード風仕上げなら370+348がベスト
スマートではないけど
3色混色361+349+307もあり
くらいでしょうか

物理的には
C(シアン)+Y(イエロー)=G(グリーン)
なのですけど

色鉛筆で混色する場合
重ね合わせる2本の色相差が大きいと
タッチが粗いのでムラになって
Gに見えにくい

そういう時は用紙を机に置いて
立って1m以上離れて見てみてください
きちんと緑に見えると思います

そうすると
370+349
307+349まで
可能性があります

色々やってみてください

まとめ

今回の色相環
わたくしの所感でも
14BGが一番難しかったです

mp1

最後に
色の見え方は
出力感環境によって変わります

同じ色成分でも
PC画面やプリント出力の
機材の種類、メーカーの種類
さらにその時の機材のコンディションで
結構な差が出ます

ここにはたくさん
画像を載せましたが
制作の手順の解説のためで
色は参考程度と考えてください

微妙な色差の確認は
実際にやって
現物を確認してくださいな

mp1

*本日の画材*
コピー用紙
ファーバーカステル 36色 油性色鉛筆
ねり消しゴム
ぺんてる シャープペンシル HB 0.3
消しゴム トンボ MONO zero

mp1

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です