漫画教室*第69回 鳥の羽と立体感

羽毛らしさを考える

アメリカコハクチョウ(1827)

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「アメリカの鳥類」(1827)より
ロバート・ハヴル 作
ラスキン・ギャラリー(イギリス)所蔵

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19世紀の鳥類図鑑の
1ページです

写真が普及する前のことですので
手書きの絵を元にした
銅版画作品です

図鑑ですので
とても正確に
羽の一枚一枚まで描かれています

鳥の種類を見分け
研究するための書物ですが
本物さながらの再現性で
しかもとても美しいです

今となっては
美術品としての価値も
あるものです

ですので
鳥を表現する際の
いい参考になります

どんな風に描かれているか
ゆっくり見てみましょう

哺乳類が全身
細い毛で覆われていたように

鳥はほぼ全身を
羽で覆われています

鳥の羽は哺乳類の毛と違って
1枚1枚が面になっています

ですので体を曲げると
こんな感じで羽が逆立ちます

これは
ルリコンゴウインコという
全長1メートルくらいある
大型の鳥です

ですので
羽も硬く大きくて
ウロコというか何というか
まるで松かさのようですね

本物はもう少し柔らかい羽で
ここまでバリバリではないので
ちょっと大げさに描かれていますが
鳥の羽の実態をよく表していると思います

1枚ずつが少しずつ
位置がずれて生えているので
重なり合っているところに
影ができていますね

羽が立っているところと
寝ているところでは
影の大きさも違っていますね

こちらは
ベニコンゴウインコ

これもまたご立派な羽です

先ほどのルリコンゴウインコほど
羽は逆立っていませんが
それでも重なり合ったところに
影ができていますね

そしてここで注目してほしいのは
羽1枚1枚が内側に湾曲しているところ

鳥の羽は
生えている部分によって
かなり形が違うのですが
トータル的にこういう形だと思います

中心に芯軸があって
体の内側に向かって
全体的にちょっとカールしています
そして生え際に向かっては
ふわふわの綿毛がついています

1枚ずつの作りが
このようになっているので
ウロコのようにというか
内側の綿毛効果もあって
ウロコ以上にモコモコしているのです

なので
コンゴウインコのような
大型の鳥でなくても
そのモコモコ感は
何となくでもちょっとあるものです

こんなふうに

ベニフウチョウです

この図版も
表現がちょっと大げさですが
現物や写真よりわかりやすいと思います

羽の1枚1枚が
とても立体的に見えますね

羽1枚1枚は
遠目で見るとわからないし
近くで見てもツンとすまして立っていると
羽が寝てしまうのであまりわからないし

小さな小鳥だったら
なおさらそんなのは見えないのですが
それでも構造としては
このようになっている

ということがイメージできているだけで
仕上がりの雰囲気は違ってくるはずです

哺乳類の表現の時に
毛の下の筋肉や骨をイメージしたように

鳥の表現の時にはさらに
見えなくてもこの重なり合った
カールしたふわふわの羽毛を
イメージしてみてください

ということで
本日の課題は
「アメリカコハクチョウ」です

ダウンロードは
こちらから

アメリカコハクチョウ作成シート

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*本日の課題作成見本*

1. 左上の空欄に使用画材の商品名とメーカー名を記入。
2. 好きな画材で着色してください。ただし「鳥類図譜」の
  模写として彩色してください。           
3. 感想欄にうまくいったところ、うまくいかなかったとこ
  ころなど記入してください。            

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