見えないものまで描く技
服の下には裸体がある
ヌードモデルを描くがごとく
服の色を着色する
モデルがある場合は
ただ見て描くだけで
自動的にそれらしいカタチになる
でもモデルがない場合は
途端にそれとはかけ離れた様子
不思議なカタチに仕上がってしまう
それが絵画の面白さだし
そこが目的なら
大成功なのだけど
ある程度それなりに
自然なカタチに仕上げたいときには
奇想天外なんでもアリ
4次元宇宙の摩訶不思議ではなく
3次元の現実的立体の法則を意識して
描く必要があるでしょう
*
着衣の人物の場合の
自然な見え方に仕上げるコツは
服の下の裸体を
どれだけ鮮明に想像できるか
ということにかかっています
服を着ていると
当然その下になって
隠れている部分は
見えないワケですが
だからと言って
体がないワケではなく
実際にはあるワケで
その隠れた部分も
きちんと立体としてとらえたカタチで
服の布の下に体があるという
立体感を出してあげる必要があります
今回はより簡略化された表現で
衣服の下の体の立体感が表現された
ファッション画を見て見ましょう
フリルがいっぱいあって
素敵なドレスですね
ギャザーがいっぱいかかって
その部分に影がいっぱいあって
そこが立体的になっているのは
明らかによくわかりますが
注目してほしいのは
体のラインです
この人物のヌードが
想像できますか?
参考までに
ヌードのラインを
描いてみました
こんな感じです
すごいボディーラインですね
何頭身でしょうか?
軽く10頭身くらいはありそうです
実際にはこんなスタイルの人は
ほとんどいませんが
ファッション画では
よく目にするラインです
靴を履いていたら
違和感ありませんが
この爪先立ちもすごいものがありますね
ざっくり影をつけると
こんな感じ
現代の服の下に付ける下着は
あまりボディラインからかけ離れていませんが
この時代の洋服の下には
おそらくこんな下着をつけていたと思います
頭につけたカツラもキョーレツです
どれだけ盛っているのでしょうか?
結構ボリューミーですよね
この上から上着を着ます
なので上着の上からも
この下着のラインが
現れているところに注目して
もう一度ドレスを見てみましょう
特に足のラインが
ヌード、下着、上着と
一見カタチが大きく変化していますが
膝関節のポジションは
変わっていないことがわかると思います
確かにそこに膝があるのです
このイラストは
ファッション画なので
おそらくモデルなしで描いています
そもそもこんな比率の人
早々いないですから
しかしヌードモデルで
デッサンスキルを身につけた画家が
ヌード、下着のラインも考慮して
想像で描いていると思われます
*
理屈がわかり
コツさえつかめば簡単です
服を着ている人物を見たら
たとえオーバーコートやマフラーなど
どんなに上にいっぱい着込んでいても
服の下のバストやヒップ
足の存在まで
感じて描き込んでください
ということで
本日の課題は
1786年製のフランスファッション画より
カラコとマリニー・スタイル帽子です
ダウンロードは
こちらから
↓
カラコとマリニー・スタイル帽子作成シート
*本日の課題作成見本*
1. 右上の空欄に使用画材の商品名とメーカー名を記入。
2. 服の下に体があることを意識して、好きな画材で着色
してください。
この人は12頭身くらいありそう
もはや人間じゃないですね