パラダイス*第73話 マニアックコレクション


11月18日 にちようび 晴れ
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箱がかわいいというだけで買った

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配色やデザインもさることながら
紙材や使用インキから
コーティング液
金箔の種類まで
チェックするのが趣味

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日本の印刷技術は絶品です
きっと世界最高峰じゃないかな?

紙も上等だし
インキもあざやかで美しい

金箔エンボスも
絶対版ズレしていないし
ましてや剥がれていることなんて
絶対にない!

2000年以降
特殊印刷の流行で
お菓子のパッケージは
みんな宝石みたいに
キラキラしているよ!

それに慣れていると
外国製品で粗い紙質や
手抜かりのある印刷モノに
ぎょっとすると同時に

ヘンに魅力を
感じてしまうのですわ

もう10年以上前のモノだけど
そもそもは書体がきれいだから買って
カリグラフィーの見本にしていたコレ

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箱をつぶしたら
箱の底の貼り合わせから
インキ濃度チェックの
パッチが出てきた

こんなモン
ふつうは
断ち切りの外につけて
お客さんには見せないもんだよ

だって
印刷失敗しているのとか?
バレるもんねぇ

実際まじまじ眺めてみたら
スミ版濃度が高すぎて
網がつぶれているのがわかった

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シアン、マゼンタ、イエローは
きれいなグラデーションに
なっているけど

明らかにスミ版だけは
80%が100%とおなじ色になっている

見えにくい?
ちょっと拡大

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イエローも
80%にしてはちょっと濃いかな?
シアンとマゼンタが正常な80%です

もしかしたら
わざと濃いめで
刷ったのかもしれないけど

濃いめにしなくちゃならん状況ってのは
いろいろあるけどね

こんな裏事情が
バレバレなモンを
見えるところにつけては
イカンだろう!

と思いつつ
わたくしは
結構楽しませてもらったのです

そこで今回の
可愛くもおしゃれでもない
イタリアで買ったパスタの
このボロボロの箱

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そもそも
色パッチがついているだけで
めずらしいですけどね

何がめずらしいかって
四色の色が
普通じゃないこと

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赤版がマゼンタじゃなくて
レッド(マゼンタ+イエロー成分の特色)
黒版が黒じゃなくて
紺(シアン+マゼンタ成分の特色)
で刷ってある

こういうインクで刷ると
全体に暗い仕上がりになるけど

実際なっている
でも
それがねらいかもしれないからね

日本では
やたらキラキラしたのが
流行しているけど
(色鉛筆もそうだけど)

ヨーロッパでは
落ち着いたシックなのが
国民的感性って事実もあるからね

印刷の網はきれいにたっていて
グラデーションもきれい
印刷のコンディションは
好調ってかんじかな

でも紙目は粗いし色の白度も低い
印刷の網目も粗いから
古いタイプの印刷機なんじゃないかと
想像している

ざっくり日本印刷史でいうと
昭和60年代から
平成一ケタ代ってかんじよ

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*本日の印刷物*
三井農林株式会社 紅茶パッケージ(2018日本製)
WALKERS SHORTBREAD LIMITED ビスケットパッケージ(2006英国製)
Barilla マカロニパッケージ(2018イタリア製)

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